災害からの復興を支援する『くまもと復興映画祭』が、6月開催されました。
会場は去年に引き続き人吉市。タレントの内村 光良さんもふるさとのステージに立ち、会場を盛り上げました。
【行定 勲 監督】
「昨年築いた歴史があって、さらにそれを超えるような映画祭にしたいという思いで上映するので、ぜひ、楽しみにしてほしい」
6月24日、人吉市で開催された『くまもと復興映画祭』。
熊本市出身の映画監督、行定 勲さんがディレクターとなって、熊本地震発生の翌年、2017年から毎年、開かれてきました。
【2018年】
【俳優陣がレッドカーペット歩く】
【コロッケさん登場 長渕剛さんのものまね】
多くの有名ゲストが登場し、熊本の復興を後押し。
【2020年】(コロナ禍)
どんな時でも映画祭は、復興に向けて歩みを進める『くまもと』のそばに寄り添ってきました。
【2022年】
そして去年は、2020年7月の豪雨で被災した地域が会場に。ことしも『球磨川特別編』として開催となりました。
【映画 夏空ダンス】
オープニングを飾ったのは、人吉市出身のタレント、内村 光良さんが監督・脚本を務めた『夏空ダンス』。
ダンスに打ち込む女子高生が夢に向けて一歩踏み出す短編映画です。
上映後には、恒例のトークイベントがあり、内村さんも登場。
映画の製作に向けた当時の思いなどを語りました。
【内村 光良さん】
「水害から1週間後に(人吉に)行ったが、コロナがひどくて日帰りしかできず、
ただ、その時に川沿いを見たら本当に変わり果てていて、最初は映画どころではなかったが、1年たったあたりで(記録として)残しておきたいと」
観客とのやり取りではこんな場面も。
【やり取り】
「高校の時に映画を作って、夢は『監督になる』と言って着々とテレビとかいろいろな映画に出られたり…」
「あれ、先生?生田先生?びっくりした!」
高校時代の恩師も、教え子の凱旋を一目見ようと会場を訪れていました。
【内村さんの高校時代の恩師 生田 和人さん】
「高校の時からの(映画)監督になるという夢を実現してここに来ているので、目標を実現する勇気と努力に脱帽。我々の誇りというか自慢」
この日、上映されたのは5作品。『CRANK』は、熊本市出身の俳優、高良 健吾さんの初めての監督作品です。
【俳優 高良 健吾さん】
「俳優をやっていると後悔や粗探しをすることもあるが、監督だと、出来に関して
思うところはめちゃくちゃあるが後悔は1ミリもない。撮ること自体に大きな覚悟が必要だったから」
そして玉名郡玉東町に住む高校生、柳 明日菜さんが初めて主演を務めた『テクノブラザーズ』も上映されました。
【テクノブラザーズ】
柳さんが映画の道を志したのも、この復興映画祭がきっかけでした。
【柳 明日菜さん】
「将来、何を目指したらいいのか見えていなかったので、言葉にはできない何かしらの答えをもらったのが2021年の復興映画祭。それで『自分も映画を作ってみたい』となってこの舞台に戻ってこられたのは自分の中では成長したなと」
7回目の開催となった『くまもと復興映画祭』。ことしも多くの人が映画の、そして人吉の魅力を味わいました。
【来場者】
「熊本全体の復興を応援するために、今はどこで開催するべきか、会場も選ばれているのが伝わるし、映画のチョイスも素晴らしい」
「映画祭だからこそ出会える映画があると思う。今後も映画祭を続けてほしい」
「人吉に来たことはあまりなかったが、今回、人吉という場所を改めて知ることができたので、また人吉に来たいと思える素晴らしい映画祭だと思いました」
【内村 光良さん】
「すごく笑顔がたくさん見られたのが何よりも『やってよかったな』とお客さんの笑顔で自分も頑張らなきゃなと」
【行定勲 監督】
「忘れてはならないことを僕らは映画の中に留めようと(する)作り手の思いを
それ(作品)を見た人たちが広げていく、というのがつながっていけばいいなと」