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ゆとりですがなにか?インターナショナル ゆるいのにケレン味もあるセリフのオンパレード。TV未見でも楽しめたゆるーーーーい1本

by MOEPPP



ゆとりですがなにか インターナショナル

監督/水田伸生 (みずた のぶお)
脚本/宮藤官九郎

「舞妓Haaaan!!!(07)」のコンビが帰ってきた!
といっても、「舞妓Haaaan!!!」が16年前の作品であることを考えると観てない人も多いかも知れない
そのあとの「なくもんか(09)」「謝罪の王様(13)」でもこの2人はコンビを組んだのだが「舞妓Haaaan!!!」ほどの大ヒットにならなかった。

しかし
水田監督は「おまえの罪を自白しろ」も監督しているという
この色合いが違いすぎる映画がこの作品の翌週に公開されるというのも一昔前では考えられなかったものである

出演/
岡田将生
松坂桃李
柳楽優弥
安藤サクラ
仲野太賀
吉田鋼太郎
島崎遥香
中田喜子
高橋洋
青木さやか

出演はTVシリーズから続投がほとんどで映画になっての追加キャラも含めると見ごたえは十分とも言える

坂間家の日本酒づくりも軌道にノリかけた時に災難が訪れる
独占的に卸売販売をしていたみんみんホールディングスが韓国系の飲食店経営のデベロッパーに買収されたのだ
そのため契約破棄も言われてしまう坂間(岡田将生)。
その頃小学校教諭の山路(松坂桃李)は自分の性癖にも向かいつつもレンタルおじさんの麻生(吉田鋼太郎)にデートのフォローを頼んだりしていた
もう一人のゆとり世代のまりぶ(柳楽優弥)は中国での事業に失敗し日本に帰ってきていた。
3人3様の生活の変化がある中、つぎつぎとバタバタする事変が起きるのだが…

ある意味、
映画とは幸あるべき!
と言わんばかりの社会問題への皮肉が山のように盛り込まれているのがクドカンらしい映画シナリオとも言える。
その結果、大きなヤマもなければ絶望的な展開もない。一発逆転はあるが、大逆転でもない

でも面白くて観ていて飽きない…という絶妙なさじ加減による、
ゆるい映画として成立している

わちゃわちゃして、バタバタして、ごちゃごちゃしている。
さらに本筋の物語は飛び飛びになって居るのにもかかわらず、結果的にうまくまとめ上げている

とはいえ、話の進行も時間軸をほぼ飛ばし飛ばしにしている割には観ることができるという不思議な展開。
もちろん、このあたりの飛び飛び展開については不評の起因となる部分かも知れない

コンプライアンスやパワハラ、アルハラ
あってはならない問題が未だに消え去っていないことへのアンチテーゼであったり
夫婦間のセックスレスに関す部分に対しての定義「要は腹を割って話そう」「日常からの愛情表現の大切さ」なども謳っている

とはいえ、その辺りを「仰々しく発信する」のではなく、国際的なキャラクターをうまく組み合わせることで
日本人としての固定観念すら取るべきところは取ってしまっていいのでは?
と思わせるところは脚本の上手さだろう

ただ、そこが露骨すぎないように、社会風刺であったり
アンチテーゼであったり社会への不満にゃ不安といったものの
ケレン味が強いのにいやらしくない…
というのに繋がっている

岡田将生は見事なはまり役
情けない旦那。鬼嫁に怯える旦那、弱気な旦那感を見事に演じてくれている
それ故に、彼の情けなさのかけらがある男性だと共感すらしてしまうのではないだろうか?
しかも奥さん思い100%なところは観ていて肌痒いところもあるが、それくらい役になりきっているとも言える。

そして松坂桃李である。
松坂桃李の「オタクなキャラ」に関しては、安心感すらある
「あの頃。(21)」でも見せてくれた「ハロプロにドはまりする青年」を思い起こさせる雰囲気…は流石。
その一歩で、童貞で知識だけが増えて、なにかにかけて 言い訳だけは一級品……ただし本人の中では…といえるところも面白い
そのジャブが劇中にあちこちに爪痕を残しているからこそ、ラストのテーブルカンターでの1カットで「何か」を期待してしまうほどなのだ

そういう 松坂桃李の演技の良さは、今回の作品の中央部分ではないからこその、アクセントのある演技は実力あってこそだと言える

柳楽優弥のパリピてきキャラクターも最高である
なにかとお騒がせポジションのまりぶを
いやらしさもありつつも、憎めないキャラクターとしてのポジションとして見事な立ち位置である。

転んでもただでは起きない…をストレートに表現したようなキャラクター性は、この映画の中でも光ってみると言ってもいいほど

安藤サクラはもうベテランどころかそれ以上の存在感
全てにおいて言うことなし
バッドランズとは真逆のキャラクターを演じているのだが
素晴らしいし、いるよなーこんな奥さん
と思ってしまうほどのナチュラル感

加えて「百円の恋」を思い出した人も多いハズ
あのシャドーボクシングシーンに限って言えば、
流石、全く変わってない…
といっても良いかも知れない

全体的にゆるーーい映画
最後まで観られる 憎めない映画になっています。
ぜひ劇場でご覧ください。

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