2年前の知床沖の観光船事故について地元関係者から新たな証言が得られました。また、事故の後に見直された船の検査についてHTBが全国調査を行ったところ、新たな危機が明らかになりました。
世界遺産・知床の雄大な景色を海の上から間近に見ることができる小型観光船。
かつて4社が運航していましたが、今シーズンは、まだ1社しか運航できていません。
他の3社のうち1社は、2024年3月に廃業しました。
20年続いた「ドルフィン」です。
■小型観光船業者ドルフィン元船長・鎌田日出明さん
「突然だったからびっくりしたのと、やっぱりここまで追い込まれたのかなと、事故でお客さん帰ってこなかったから」「お客さんの喜ぶ声を聞くことができなくなっちゃったし、それはちょっと悔しいな」
斜里町ウトロはあの日以来、客足を取り戻せていません。
■HTB依田英将アナウンサー
「観光船KAZUI(カズワン)が海面に引き揚げられようとしています。いま操舵室の部分が海面から顔を出しました」
2022年4月、知床沖で観光船KAZUIが沈没した事故。
乗客乗員26人のうち、20人が死亡。
いまも6人が行方不明のままです。
「KAZUI」の豊田徳幸船長。
船長になって1年のシーズン最初の出航で、沈没事故は起きました。
悪天候で強風・波浪注意報も出ている中、海に出てしまった豊田船長のKAZUI。
鎌田さんは事故の前から豊田船長だけでなく、運航会社・知床遊覧船の桂田精一社長にも安全面のアドバイスをしようとしていました。
■小型観光船業者ドルフィン元船長・鎌田日出明さん
「桂田社長にも(豊田船長の操縦が)危ないときは、電話したんだけど、その時は何か忙しかったのか電話を切られちゃったんだよね。聞き入れてもらえなかったんだよね。」「桂田社長が豊田船長やほかの人にたちにも、こういう風に言われているから『もう少し気をつけれよ』ってことを言ってもらえたらまだ結果はどうなっていたかな」
アドバイスは届かず、悲劇は起きてしまいました。
■知床遊覧船の関係者
「ライフジャケット着させろと騒いでいて、前の方から傾いてエンジンが止まったのはそのあとかな」
知床遊覧船の関係者の男性。事故直後の出来事についてカメラの前で証言しました。
発生時、男性は知床遊覧船の事務所にいました。
KAZUIが沈みかかっているという連絡を受け、すぐに事務所を飛び出し、船を出そうとしましたが…。
■知床遊覧船の関係者
「船まで行ってるの。迎えにいくぞって。でも出られる状態ではなかった。これは無理だわ、と」
(記者Q「もし事故現場が港の近くだったら出た?」)
「出てないわ。出られる状態ではなかった」
それから、およそ5時間後。
桂田社長が、事務所を訪れました。
■知床遊覧船の関係者
「午後6時半ぐらい、薄暗いときにきた。なんも言わない。入口の玄関のところに立ってた」
男性は、桂田社長らとともに救助の一報を待ち続けました。
しかし、その日は、誰も救助されませんでした。
あの日、海保のヘリが撮影した現場の海です。
最も近くにいたヘリは発生当時、別の業務にあたっていて、到着した時には通報から3時間以上が経っていました。
これは、高度な海難救助にあたる「機動救難士」などが1時間以内に出動できるエリアの地図です。当時、知床半島を含む道東は救助の「空白地帯」でした。
なぜ、観光船が運航する海に「空白地帯」が残されていたのか。
当時の海保トップが証言したのは、「体制の限界」です。
■海上保安庁・奥島高弘前長官
「常にベストを尽くしていかないといけませんが、日本国中全ての海域でベストな状態に作るっていうのは、現実問題として不可能」
「今回事故が起こったんでまずは手当しなきゃいけないっていうところで。順番にやっていくと、ただ必ずやる。やり切るっていうことが大事なんだと思うんですね」
その後、海保は釧路基地のヘリを1機増やすなど体制を強化。
知床の海で、救助の「空白地帯」は解消されました。
事故を受けて見直されたものは、他にもあります。
それは「船の検査」。
国の運輸安全委員会は、船の甲板と内部をつなぐ「ハッチ」の不具合が沈没事故につながったと結論付けました。
船は、「ハッチ」のフタが固定されていない状態で出航し、激しい揺れでフタが開き、内部に海水が流れ込み、沈没したとされています。
事故3日前の検査で、ハッチの不具合は見過ごされていました。
検査を行ったのは、国の代行機関JCI=日本小型船舶検査機構。
2023年1月、国から指示を受けて検査の項目を増やしました。
たとえば、5トン以上の船については船底の状態を確認するため、陸に揚げての「上架検査」が義務化されました。
いまのJCIの検査を、事業者は、どう感じているのでしょうか。
HTBは全国の旅客船業者497社を対象にアンケート調査を実施。
173社から回答を得ました。
調査で明らかになったのは、「検査の負担増加により、経営が圧迫されている」ことです。
JCIの検査の平均時間は厳格化される前の51分から、厳格化された後では185分と、3.6倍に増加していました。
こうした検査への不満についても、多くの回答がありました。
■西日本の事業者
「検査が通るのに時間も日にちもかかり、営業に差支えが出ています」
■島根県事業者
「法律の改正が早急すぎると思う。中小企業が耐えられるような時間の余裕が欲しい」
アンケートで明らかになった、重い検査負担。
JCIを所管する、国土交通省はー
■斉藤鉄夫国交大臣
「例えば上架検査については定期検査などの受検時以外にも、事業者の都合に合わせて実施可能とするなどの弾力的な運用を行うことで、事業者の負担軽減に配慮させていただいております」
乗客の家族29人は、運航会社「知床遊覧船」と桂田社長の責任を問う裁判を、7月に札幌地裁へ起こすことにしています。
■知床観光船事件被害者弁護団山田廣弁護士
「桂田代表の法的な責任を明らかにする、謝罪させる。それと全損害を賠償させる。この事件のあまりにも悲惨な状況を社会に訴えて、風化を防ぐ」
乗客と乗員の家族の戦いは、これから始まります。
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41 comments
北海道は
旭川市女子中学生いじめ凍死事件、カズワン沈没事件、どうも裏の組織による加護が見られ警察の捜査権にまで影響を与えて、尚且つマスゴミや新聞📰にも真相を報道させない闇😅
裏の黒幕がどんな組織なのか?文春ですら暴けないみたいだから、相当な闇なんだろうがやはり日本🇯🇵は加害者天国で被害者や被害者家族👪は泣き寝入りするしかない不公平な司法制度も恐らく100年先も変わらずに、逆に外国人犯罪にも穏便な不公平が更に拍車がかかる世の中になるのは確実なんだろうな😂
ならば殺られる前に殺るしかなくなるよね😅
アンケートで3割ぐらいしか回答してこないというのも問題。
事が起こってから海保だ検査だて馬鹿かよ 人のせいにするな
お客様を安全に乗せ楽しんで帰ってもらう それだけ
荒天の中、素人船長オンボロ船で出港したのが元凶
今まで適当な検査でデタラメやって事故が起きたんだろ
検査を厳しくするのは当たり前やろ
検査に文句を言ってる奴は桂田と同じレベルで非常に危険なので運営をやめてほしい、少なくとも公表してくれ、使わんから。安全より利益というのはハイリスク。
桂田氏は一生、遺族から恨まれ、事故を知ってる人からは避けられて生きていけるのか?
そもそも生活は成り立つのか?これだけ社会を脅かす事故を起こして桂田氏の会社の宿を使おうと思わないし!
こいつまだ生きてんのか!
よくのうのうとコイツ生きてるなあ~
自己責任、だと思わないと乗れないね
国交省の監督責任も問われるべき。冬の海は凍死の確率が高い。救命胴衣でなく救命いかだの設置を義務化するべきだ。
まだ逮捕されてないのか
桂田はネットで誹謗中傷してもいいくらいの罪を犯した、末代まで許さない。
こういう風にメディアに追われるの見越して高いiphone買ってそう
わけわからない経営コンサルに師事を仰ぎ、知床遊覧船を地獄の底に叩き落とす。マジでコンサルが無能で無責任ということがよくわかった。
桂田社長は知識や経験もないのに儲かるからと観光船を始めたらしく、安全より金儲け第一主義なのは明らかで被害者達はその犠牲になった。
沈没した際に救命胴衣だけじゃ直ぐ凍死しちゃうし、19トンの小型船に救命ボートやイマージョンスーツなんて人数分置くのは
スペース的に無理・金額もイマージョンスーツはかなりの値段すると、正直小型の19トンの船で北海道で安全に運航って無理だと思います・・・
船会社で修繕担当していますが、中間検査・定期検査等の車で言うところの車検みたいな検査でドックに入る度に救命いかだ・イマージョンスーツの買い替え等だけで一隻数百万位。499トン~の貨物船の中では小さい船ですらドックの費用も6000万円位~その中で安全に係る法定検査だけでそれだけかかります。 19トンの小型船でも、車とは比べ物にならないぐらいかかるので、採算取れないと思います。
敵船発見!魚雷発射ーー
目標命中! やったー轟沈だー
軽井沢のバス事故と一緒で素人が金儲けしようとして大事故になる
お客は知らずに乗るもんなぁ
コンサルは本当に無責任の口だけの仕事だな。絶対信用しないぞ。
船も車も検査はもっと厳しくして欲しい。
これ、韓国のセウォル号の事故と、全く一緒だな。
あんな事故が起こったのにまだ行く奴がいるんだぁ
誰か新規参入すればいいのに。
考えようによってはチャンスやで!!
海上保安庁は悪くないやろ。
リソースが足りないことも
どこの業界、どの行政でもある話だろ。
まるで反省してないな。許せないですね。
こんなこと、あったんだな
少し忘れていた
いいからとっとと懲役行かせろ
この事件、個人的に追っていたから続報を待ってた
こいつのおかげで、知床岬にソーラーパネルの携帯基地局作る口実を与えるは、
知床観光船の一つの有名なドルフィン観光船が廃業になるし、どうしてくれんだよ。
事故前より観光船客が戻らなくて、ドルフィン観光の社長さんこの前、会社畳んで知床出
ていくときにTVの取材で泣いとったよ。
ほんとこの事故の余波受けた地元の人が気の毒すぎるわ。
銭ゲバ、守銭奴ジジイ一人のせいで莫大な税金の使用も発生して最悪だ!
このデタラメ一社のせいでめちゃくちゃになりましたな😢
桂田は普通にうろちょろしてるんだな
なんとも平和な国だ
完全なる開き直り。何かボクやりましたか?みたいな顔でケータイ向けてあり得ない。
遊覧船や観光バスは法改正して業者負担を増やすのに自動車メーカーの改ざんは注意で終わりだもんな。
検査厳格化して経営圧迫してんの草
経営圧迫は重大事故の原因になりかねない
こいつ本当に反省してんのかよ
結局、人生は安全を他人任せにしちゃダメってことだ。
どんだけ保証されている、国の基準を守っているといったところで
神様じゃないからな。人間は。
北海道に海保も自衛隊のヘリも無いってヤバないか?😅
2:35 何でフェイスガードで運転してんねん
この問題はこの業界だけではない
どの業種にも言えること
その最たるものが自動車業界の不正
田舎でも問題は色々あるけど淘汰されるウトロだけじゃナイ!東北の山間部なんか自治体すら救えない状況、海村部はまだ海という資源が強み、それしかない、