唯一無二の奇想天外な物語で、日本のファンタジー小説の原点と称えられる「南総里見八犬伝」。
1842年に完結してから200年近くの時を超え、今なおマンガ、アニメ、映画、舞台、歌舞伎と多彩なジャンルで二次創作が行われるなど、現代のエンターテインメントに多大な影響を与え続けている。その傑作小説を実写映画化。
里見家の呪いを解くため、八つの珠に引き寄せられた八人の剣士たちの運命をアクションとVFXで描いた「八犬伝」=【虚】の世界と、物語を生み出した馬琴の感動の実話【実】の2つのパートが交錯する、山田風太郎の小説『八犬伝 上・下』(角川文庫刊)を映画化した『八犬伝』は、10月25日より全国ロードショー。
「八犬伝」作者・滝沢馬琴(役所広司)のドラマが描かれる【実】パートからは、失明しても執筆を諦めることなく、28年もの歳月をかけて「八犬伝」を完成させた馬琴の姿が。そんな馬琴を見守るのは、友人にして希代の浮世絵師・葛飾北斎(内野聖陽)。キャラクタービジュアルでは、長年友情を育んできた二人の晩年の姿が、それぞれ重厚なドラマを期待させるビジュアルに仕上がっている。キャラクター映像では、「これが八犬伝の始まりだ」と物語を聞かせる馬琴に対し、北斎が「ますます面白ぇ」と興奮を隠しきれない様子でつぶやく姿も。
そんな「八犬伝」の物語を壮大なスケールで展開する【虚】パートからは、個性豊かな多数のキャラクターが登場。里見家にかけられた呪いを解こうと奮闘するのは、優しさと勇気を兼ね備えた「八犬士の聖母」伏姫(土屋太鳳)。人の言葉を解する妖犬にして伏姫の飼い犬・八房と共に城を離れ、懸命に里見家を救おうとする彼女の願いから生み出されたのが、八人の剣士・八犬士たちだ。仁、義、礼、智、忠、信、孝、悌の八つの珠にそれぞれ引き寄せられた剣士たちは、さまざまな困難を乗り越えて一堂に会し、里見家を呪う巨大な敵に立ち向かう。
名刀「村雨」を携え戦いに挑む八犬士のリーダー「宿命の守護者(孝)」犬塚信乃(渡邊圭祐)、信乃の家に仕え主人を守り抜こうとする「忠義の献身者(義)」犬川荘助(鈴木仁)、美貌を活かした美しすぎる姿で敵に迫る「女装の復讐者(智)」犬坂毛野(板垣李光人)、「豪放の十手使い(信)」犬飼現八(水上恒司)、怨霊に憑りつかれた父と刃を交える「文武の知略家(礼)」犬村大角(松岡広大)、「怪力の相撲王(悌)」犬田小文吾(佳久創)、八犬士「最年少の若武者(仁)」犬江親兵衛(藤岡真威人)、主君の仇を狙う「火遁の修験者(忠)」犬山道節(上杉柊平)─。それぞれの思いを胸に、壮絶な戦いに身を投じていく。
彼らの前に立ちはだかるのは、「闇を司る八犬士最大の敵」玉梓(栗山千明)。美しくも恐ろしい強力な怨霊である玉梓と八犬士たちの白熱バトルも、本作の大きな見どころとなっている。キャラクター映像では、作りこまれた世界観に迫力溢れるアクション、そして豪華キャスト陣の熱演により、まさに「八犬伝」にふさわしい珠玉のシーンの数々を堪能することができる。