「SHOGUN 将軍」がエミー賞で見せた日本の
日本の戦国時代を舞台にしたドラマ「SHOGUN 将軍」が米エミー賞で快挙
日本の戦国時代を背景にしたドラマシリーズ「SHOGUN 将軍」が、米エミー賞での快挙を成し遂げた。ハリウッド進出を果たした日本人俳優として渡辺謙や役所広司が知られているが、真田広之主演の本作が国際的に高く評価された理由とは何か。9月11日にNHKの「クローズアップ現代『“SHOGUN”大ヒットのワケ JAPANコンテンツ新時代』」に出演したジャーナリスト、長谷川朋子氏が解説する。
ハリウッドで日本人が絶賛された背景
アメリカのテレビ界で最高峰とされるエミー賞での受賞は、かつて日本にとっては遠い存在だったが、最近では注目度が高まっている。今年、アメリカ時間の9月8日に発表された技術系や美術系部門では「SHOGUN 将軍」が14の賞をほぼ独占し、9月15日(日本時間16日)の主要部門では、真田広之が主演男優賞、アンナ・サワイが主演女優賞を受賞し、作品賞や監督賞も獲得するなど、大成功を収めた。
日本人がハリウッドでこれほどの評価を受けるのは過去にはなかったが、必然の流れとも言える。真田がハリウッドデビューを果たした『ラスト サムライ』とは明らかに時代が異なっているからだ。
ハリウッド製作の背景と変化
「SHOGUN 将軍」は日本の戦国時代を舞台にしているが、ハリウッドの主導で制作された。その製作を牽引したのはディズニー傘下のFXという実力派プロダクションで、製作総指揮には映画『トップガン マーヴェリック』の原案を手掛けたジャスティン・マークスが名を連ねている。原作はアメリカで出版されたジェームズ・クラベルの小説「SHOGUN」である。
ドラマ全体の70%が日本語で構成されており、全10話の中で展開される。ディズニーのオリジナル配信ドラマとして全世界で同時配信され、日本語という言語のリスクを承知の上で制作されたが、結果として大ヒットを記録し、エミー賞で評価された。
ヒットの理由1: トレンドを押さえたストーリー
「SHOGUN 将軍」が世界でヒットした理由の一つは、権力闘争や人間ドラマを描くという、ドラマ市場の定番トレンドを押さえている点だ。複雑な相関図とキャラクターの深さが好まれ、主人公だけでなく他の登場人物にも共感できるようなキャラクター劇が人気を博している。
このドラマは「日本版ゲーム・オブ・スローンズ」とも言われるほど、キャラクターたちの駆け引きや人間ドラマが充実している。真田広之が演じる徳川家康をモデルにした主人公・吉井虎永の策略家ぶりや、サワイが演じる現代的な要素を持つキャラクターなど、視聴者が引き込まれる要素が満載だ。
ヒットの理由2: 日本文化の“本物”へのこだわり
「SHOGUN 将軍」はただの表面的な日本文化の描写ではなく、日本の歴史や文化に対する深い理解が求められた。製作スタジオFXは、日本の文化や歴史について900ページにも及ぶマニュアルを用意し、正確性と本物へのこだわりを示した。
主演の真田広之がプロデューサーとして参加したことも、日本の時代劇を正確に描こうとする意識の表れだ。クオリティを確保するために巨額の予算が投入されており、これによりハリウッドの配信ドラマの中でも特に高い評価を得た。
動画配信時代の新たな可能性
渡辺謙や役所広司が苦労した時代を経て、「SHOGUN 将軍」は動画配信の時代を迎えた。映画だけでなく、全世界に配信可能なドラマが増え、国際的なビジネスモデルが築かれている。日本の俳優たちが海外で活躍する機会も増えており、言語の壁も以前ほど高くない。
「SHOGUN 将軍」の成功は、日本人俳優がハリウッドでの注目を集めるきっかけとなり、これからも日本のコンテンツが国際的な舞台で評価される可能性を示している。サワイの言葉通り、「皆のためにドアを開いてくれた真田広之さん」の功績を無駄にせず、さらなる活躍が期待される。
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1 comment
総指揮を葬式と表記するとは…AIの限界か❗。