◆今回の俳句
【引越し】
00:00 春日向カーテンの到着は明日 皆藤愛子
01:22 校舎裏抱きし犬の目春の月 的場浩司
02:46 春泥を引越し女房おお跨ぎ 中田喜子
03:54 新しき庭あたらしき泥の春 本上まなみ
05:00 木の芽冷え青いジャバラで家具包む 千賀健永
【入学】
06:33 入学や書いては消してわが名前 こがけん
07:50 一年生さいしょのともだちだん子虫 馬場典子
09:03 弟子入りの日墨色の八重桜よ 立川志らく
10:10 新歓を断る理由春眠し 森迫永依
11:30 亡き妻と入学前夜のハイボール 勝村政信
#引越し
#入学
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#プレバト #俳句 #季語 #はいく #ぷればと
◆勝村政信さんの俳句全集
◆入学の俳句
◆立川志らくさんの俳句集
◆的場浩司さんの俳句全集
◆中田喜子さんの俳句集
◆引越しの俳句
◆一部文字起こし
プレバト俳句「引越し」「入学」の振り返りをしていきたいと思います
春日向 カーテンの到着は明日
皆藤愛子さんに詠まれた俳句です
こちら引越しの題で行われた予選第1位の俳句となります
季語は三春の季語「春日向」
俳句の意味は春引越してきたがカーテンの到着は明日だとさせていただきました
この俳句引越しが題なんですが「引越し」という表現を使っていないんですね
でもほとんどの人に伝わる表現になっているところがものすごいところかなと思います
カーテンの到着という表現で引越しというところに結びつくわけですね
カーテンの無い窓から引越してから心機一転春の希望を象徴するような日差しが入ってきている
そんな様子が思い浮かぶのではないでしょうか
窓とか光といった言葉も使っていませんが一定の読みを読者にさせる春の明るい俳句となっています
今回は前半で「引越し」後半で「入学」で詠まれたプレバト春光戦の予選の俳句を紹介したいと思います
校舎裏 抱きし犬の目 春の月
季語は三春の季語「春の月」です
的場浩司さんによって詠まれたこの俳句
意味は捨て犬を拾ったらしいんですね
その捨て犬を飼っちゃ駄目と言われてプチ家出したそうです
校舎裏で育てようと思ったんだけれども捨て犬の目が寂しそうなんですね
上を見上げると春の月が出ていると少し物寂しい俳句になっています
永世名人の千原ジュニアさんからカメラワークの慌ただしさということで指摘されていました
まず上五で校舎裏にいるわけです
で抱きし犬で犬のところにカメラが寄ってくるわけですよね 寄るわけです
で最後「春の月」下五でものすごく引くわけですよね
カメラが寄ったり引いたりっていうのをすることこれがどうなのかということを言われてしまいます
夏井先生もそこに同調してこんな風に添削されていました
抱く犬の 目よ春月の 校舎裏
こうすることで2枚の絵
最初寄っていて最後引いていくというような表現に変わっているかと思います
春泥を 引越し女房 おお跨ぎ
中田喜子さんの俳句です
季語は三春の季語「春泥」ですね
子季語に春の泥なんていうのがあるんですが
この俳句の意味は春の泥の溜まった水たまりを跨ぐことを詠んでいます
引越し女房が跨ぐんですが引越し女房というのは嫁入り荷物を持って越してくる女房のことですね
そんな女房が春の水溜りを大跨ぎで跨いでいてたくましく引越してるなあといった俳句になります
永世名人のFUJIWARAフジモンさんから「泥」と「跨ぎ」(の位置)が遠いんじゃないかっていうことを言われていました
夏井先生も題材の目の付け所を褒めながらじゃあ引越し女房から始めようということでこんな風に添削されます
引越し女房 ほら春泥を おお跨ぎ
今回は永世名人千原ジュニアさんFUJIWARAフジモンさん梅沢富美男さん三人いたんですけれども
夏井先生と同調することが多くてさすが永世名人って思った回でしたね
本上まなみさんの俳句です
季語は三春の季語「春泥」先ほどと同じですね
これを泥の春と変えているわけです
ここで少し季語についての説明をしますね
春泥っていうのは雪解や春の雨などで泥水が乾ききらない状況っていうのが春には多いと
その春のぬかるみのことを春泥というらしいですね
この俳句新しいっていうのと泥っていうのを対比させているわけです
またあたらしきと繰り返して表現していますね
これを夏井先生はリフレインという音楽用語を使って評価するんですけれども
具体性や独自性に欠けるということで添削されていましたね
添削後こちら
新しき庭 赴任地は 泥の春
あるいは
新しき庭 脱サラの 泥の春
このように俳句に血を通わすというかそういった工夫も必要なんだなと勉強させていただきました
木の芽冷え 青いジャバラで 家具包む
季語は三春の季語「木の芽冷え」です
木の芽時の子季語らしいんですが他にも木の芽に続いて木の芽雨 木の芽晴 木の芽風なんていう木の芽時の子季語があります
夏井先生はあえて上五で木の芽冷えを選択しているところを評価していました
引越しの寂しさというところに軸足を置けるだろうというところで今回は木の芽冷えなんですね
この俳句の意味はそんな木の芽が出てくる時特に冷えた日に青い緩衝材で家具を包む寂しい春だなぁ 冷える春だなあということかと思います
永世名人の梅沢富美男さんは下五家具包むを包む家具と語順を変えて体言止めしてはどうかということを提案します
夏井先生はそれをまさに採用して添削後
木の芽冷え 青いジャバラで 包む家具とされていました
こうすることでその冷えている外気も家具を包むことも表現できると更に付け足していましたね
こちら引越しの俳句の2位の俳句になるんですが惜しくも春光戦の決勝進出は逃してしまいます
一番最初に紹介した皆藤愛子さんだけ決勝進出ということになるんですね
厳しい予選となりました
入学や 書いては消して わが名前
ここからは題「入学」で詠まれた俳句を順位順に紹介していきます
5位のこちらの俳句 作者はこがけんさんです
季語は晩春の季語「入学」ですね
子季語には入学式 新入生 新入児 進学 一年生 入園なんていうのもあります
俳句の意味は入学だなあ
名前を一生懸命書いたものだとしました
一年生といえば名前を書くだけでも一大事なわけでそれを一番いいうまい字を書くんだって言って書き直している様子ですね
永世名人のフジモンさんから「わが」というのが小学一年生は言わないんじゃないっていうことを指摘されました
エピソードは小学一年生っぽいんですけれども
「わが」というところですよね
「我が名は山田太郎であるぞ」みたいな小学生なのっていうことですよね
このいつの入学かということを伝えるっていうことは入学の俳句を書くにあたって大切なことだと夏井先生からも説明があります
添削後こちら
一年生 おなまえ書いて 消して書く
このようにすると俳句の主人公の属性というところを表すことができますよね
一年生 さいしょのともだち だん子虫
馬場典子さんの作品です
こちらは小学一年生である様子が仮名表記だったりエピソードだったりから伝わってきますよね
ただ夏井先生はこういった表現似た表現が非常に多いということを指摘されます
また「さいしょ」というのが説明的だとして添削されていました
入学の朝 ともだちは だん子虫
あるいは
入学三日目 ともだちは だん子虫
が添削例となります
私も入学の俳句を予習した動画を作ったんですが小学一年生のことを詠む俳句っていうのはかなり多いんですね
そして「ともだちだん子虫」なんていう表現っていうのは本当の一年生もするかもしれないそのぐらいよく見る表現ということかと思います
キャプテン翼のボールは友達みたいなことですよね
たくさん詠まれているものについてはどんなふうに差をつければいいだろうと考えさせられた俳句になりました
弟子入りの日 墨色の八重桜よ
立川志らくさんの俳句です
季語は晩春の季語「八重桜」ですね
俳句の意味は弟子入りの日、自分は不安で八重桜も墨色に見えたということを俳句にしたそうです
不安な心理状態を色で表現しているわけですね
立川志らくさんは「よ」の位置でかなり悩んだらしいですね
添削後も「よ」の位置を変えるだけなんですけれども
この添削後の俳句との二択だったということかと思います
読みます
弟子入りの日よ 墨色の八重桜
このようにすると調子がまず整いますよね
志らくさん自身は添削前の俳句にこの二択でしたというところなんですが
思いを込められて俳句を作られているんだろうなと伝わってきた話でした
新歓を 断る理由 春眠し
森迫さんの俳句です
季語は三春の季語「春眠し」ですね
「春眠暁を覚えず」の春眠の子季語です
他に春酔ともいうらしいですね
俳句の意味は新歓つまり大学の新入生歓迎会
それを人見知りで断る理由を探していたところ何か天気に関連付けて断ったという趣旨のことを森迫さんは言っていたんですが
春の眠気を誘う天気のせいにしたということかと思います
で夏井先生はですね季語で説明していないのがいいっていう風に評価するんですね
確かに「春眠いから断ったの?」みたいな読みもできるんですがよく考えると季語が断る理由になってません
で凡人は花見などで「花見に行くから新歓行けないです」みたいな説明をしてしまうんですがそれだと説明的になりすぎている
この付かず離れずの下五が成功しているのではないかということかと思いました
「これを分かっててやってるんだよね」って夏井先生は言っていて
「面憎いわ」って言ってましたね
夏井先生に言わせたい言葉ですよね
最高の褒め言葉かと思います
亡き妻と 入学前夜の ハイボール
勝村政信さんの俳句です
俳句の意味は勝村さんの友人の話だそうで
その友人の息子の入学式前夜にその友人が亡くなった妻の遺影とハイボールで乾杯したというエピソードを詠んだそうです
このエピソードだけでものすごく感動的だなと思うんですけれども
夏井先生からはどの入学でもイメージできるところがいいとされていました
先ほどこがけんさんの「わが名前」で小学生は「わが」って言わないだろうどの入学か明示しなさいということを言われてたんですが
これはあえて書かないことに意味があるわけですよね
一番イメージされるのは小学校の入学かもしれません
ただ死別の時期によっては中学とか高校とかもありえますし
大学まで育て切って「明日やっと大学入学だよ」とやっている父親の姿
父親の年齢・父親の表情そういうとこまで想像させてきますよね
この俳句が見事1位となって春光戦決勝に行くわけです
入学のブロックからは他に森迫さんと立川志らくさんも決勝に行きますのでとてもレベルの高い戦いとなりました
勝村政信さんのプレバトでの俳句を全部まとめた動画も作ったんですが「揚げ物軍隊」っていう代名詞があったり夏井先生から破門をくらったりめちゃくちゃに苦労されてるんですよね
夏井先生はこの俳句を作った人が分かったときにあんただったのかっていう風に思ったらしいですね
顎が外れそうになったとまで言ってました
4 comments
世に酔うて風に踊って野に遊ぶ
栴檀の花散る那覇に入学す
ー杉田久女
沖枇杷夫厚化粧で入学す
沖枇杷夫〜当方の俳句名です
沖枇杷夫〜滑稽俳句協会会員
こんにちわ&御疲れ様です🙇
春日向カーテンの到着は明日 皆藤愛子さん
亡き妻と入学前夜のハイボール 勝村政信さん
共に良い句ですが勝村政信さんの句で夏井いつき先生も吃驚し、顎が外れたと仰有ってました🤯😹
こんにちは
何と放送日はWBC準々決勝が重なりましたね!私はヒッチ俳句さんのこの配信を当てにしてWBCを優先しました😅 Amazon prime videoで実況とアーカイブが残るので後でも観れたんですけど、やはり日本の球場で大谷選手やダルビッシュ選手の姿をリアルタイムで臨場感を味わいながら見れるのはもう無い事だと思って。
「春光戦」予選は出揃いましたね。決戦が楽しみです!
引っ越しをお題に一句
受験行く 間際の兄に 「早く行け」
最近兄が大学生になり県外に行ったことと繋げました。