知床沖の観光船沈没事故をめぐって国の運輸安全委員会が原因調査の最終報告書を7日、公表しました。
新たに公開された写真には浸水の原因になったとされるハッチのふたが確実に閉まっていない様子が映っていました。そこに出来ていたのはおよそ2cmの隙間です。
およそ250ページにも及ぶ事故原因の最終報告書。
原因の一つとして結論付けられたのは船前方の「ハッチ」からの水の流入でした。事故当日、KAZUIはハッチが固定されていない状態で出航。高い波で激しい揺れを繰り返す間にフタが開いて船内に水が流れ込み沈没に至りました。
事故2日前に行われていた救命訓練。この場で豊田船長自らハッチの異常を認識していた可能性があると関係者は証言します。
知床の観光船関係者)
「訓練行く前にロープを出したんだけど、出し終わって豊田船長が(ハッチの蓋を)閉めようと思ったときにうまく閉められなかったので、自分が見たときはちょっと開いてるなって。閉めようとしてこのストッパーを操作したけれどうまく閉められてなかった」。
事故前から異変が起きていたという「ハッチ」。それを裏付ける写真が最終報告書に掲載されました。
これは、事故の8日前に撮影されたハッチの様子です。よく見ると、フタが浮いています。
その隙間はおよそ2cm。
このわずかな隙間が20人もの命を奪う引き金になったと考えられています。
知床の観光船関係者)
「ストッパーをこういう風に閉めてふたを固定するが、結局ストッパーがしっかり閉まらないからちょっと浮いてる状態」。
(Q.2cmふたが開いているとバタバタする?)「このストッパーが効いてなかったら、風ではわからないけど、波が来た時には簡単に開けられちゃうから」。
(Qということは水も入る?)「もちろん。かぶった水はフタを開けなくてもここ(ストッパー)が効いてないと入っていくから」
なぜ、2cmの隙間は見過ごされたのか。
報告書で指摘されたのは、国側の検査の不備です。事故の3日前に行われた日本小型船舶検査機構=JCIによる船体検査。JCIは国に代わって検査を行う機関です。
この時の検査でハッチの状態は目視での確認にとどまり、実際に開け閉めすることはありませんでした。実は、検査のルールでは見た目が良好なら開閉試験を省略してもいいとされています。JCIの元職員はHTBの取材に対し、検査の実情をこう証言していました。
JCIの元職員)
「(検査員が)高齢の方ばかりでしたのでそういった方が検査の担当している地域を一人でまわるっていうようなことが多かったので、形式的に船を並べて次々に検査をしなくてはいけないような状況だったと思う」。
見過ごされた異常。ただ報告書ではそもそも、当日の気象条件のもとでは「出航してはならなかった」とも指摘しています。関係者も事故当日、豊田船長にくぎを刺していました。
知床の観光船関係者)
「事故当日に豊田船長と会った時に今日は行ったらだめだよと言ったんだけど、どうしてそれを聞き入れてくれなかったのかなというのは残念」。
さらに船の運航会社の安全管理体制の問題については。
運輸安全委の報告書より)
「社長は船に関する知識も経験もなく、船長に対して助言等の援助を行う能力はなかった。本件会社には実質的な運航管理体制が存在していなかった」。
あの日、なぜ、出航したのか。
事故直後の会見以降、桂田精一社長は公の場では口を閉ざしたままです。
須藤真之介記者)(Q最終報告書が出ましたが)
桂田精一社長)(無言で車で走り去る)
事故からおよそ1年4カ月経って公表された膨大な量の事故報告書。専門家はこう評価します。
神戸大学海洋政策科学部若林伸和教授)
「率直な感想として異例中の異例の内容の多さ。社会的な影響も考慮して、入念な調査と検討が行われたという表れだと思う」。
また国の代行機関=JCIの検査についても問題点をこう指摘します。
神戸大学海洋政策科学部若林伸和教授)
「パッと見て目視でもわかるはずではあるけれど、それがわかる知識があるかというところが問題。検査体制についても圧倒的に人員が不足していることはあるみたいなので、そのあたりの手当をしていかないと本質的な問題解消にはならない」。
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14 comments
この男の態度は、許す事が、できません💢
もう桂田勾留した方がいいですって。
絶対吐きまくるからw
政治家が利権ばかりで分配をきちんとやらないからこうなる。
社長も自分の能力以上の事をするからこうなる。
この人は人の上に立つ器ではない。人間の器でもない。
桂田精一は相変わらずだねえ、誠意を尽くします(まるで誠意なんてない)、けっして逃げ隠れしません(テレビ、新聞、携帯見てもいつも逃げ隠れしている )こんなひと絶対に許せない
。
し
まだこの事件取り扱っていたのか
ハッチだけが原因では無いと思うけど、沈没するほど波を被るって相当の時化じゃ無いと沈没までは行かないでしょう、もっと別の原因が有ったんじゃないかと思いますが?
国交省相の斉藤は引責辞任しろ!
直前に、小型船舶検査機構が人を載せて運航して可と、「船検合格」を与えた。小型船舶操縦士免許を持つ船長は、乗客を乗せ、海に出た。船長が、不備な船で、荒天が予想される海に出る判断をした。会社は出ろと言ったのだろうが、従ったのは船長で、出航し事故に至った責任は彼だ。雇用上の力関係はあるだろうが、人身事故を起こすことと交換はできない。「船検」が、未だまともでないことにもあきれ返った。私が経験した、最初期の検査と似た体制のままのようだ。備品を揃えて、やれる限りの整備をし受検に臨んだのだが、高齢の検査員は船に乗ろうともせず、「合格」をくれた。その時、下っ端役人の再雇用だろうと思った。
全くのド素人が旅客船運行会社を経営し、自ら運行管理者をしていたのが原因だよ。
瀬戸内海で使われた老朽船をオホーツク海で使うなんて、言語道断だよ。
しかし、船舶検査はずさんだね。
あらゆる不備があったのに、指摘することができなかった。
たまたま観光客が事故の直前に撮った船の映像でも海は穏やかで当時の番組取材の
ように凪の状態だ。それが荒波の中で波によりハッチが壊された事で船首から
沈没が原因とあるがそれはおかしい。船長らの素人修理をした船首下部の破損部
からの浸水で急速に船首から沈みスクリューが水面から出て航行が出来ない状態が
正しいと思う。そういうストーリーは公的機関が船検で見逃した経緯があるので
責任回避の為の作られた話だと思う。
友人が瀬戸内島で何度か乗っていたそうです。
網走でブルーシートで覆われた船を見る。
他人事とは思えない事件です。
カネ取って検査している意味が全くなかったのだから組織解体しろよ。
あと、海保もなんで救助が遅れたのか、きっちり検証して、膿を出し切れ。
船長があてにならんのなら、協議会おいて出航を規制しろ。安全無視の業者は港から排除で。
その蓋は10年以上前から壊れたまま直していなかった。
船検は毎年受けて合格させてた担当責任者が何人も居るのは書類に署名捺印してるが数年の保管期限で捨てられてしまい合法的に誰か分からなくなる仕組み。その期間まで悟られないように裁判期間を延ばして証拠隠滅した後に死人に口無し船長と社長に全ての罪を負わせるのだろう。
いまだにこいつ見ると腹立たしい。チャント検査して助言を聞いてればこんなことにならなかった。