アナログ
現代社会において 欠かせない 生活 のツールでもある スマートフォン/携帯電話を 持たないという ある意味 珍しい設定を 見事に活かした上品で上質なラブストーリーに仕上がっていて、2023年を代表する恋愛映画とも言ってもいいほど
監督/タカハタ秀太(たかはた ひでた)
鳩の撃退法(22)
原作はビートたけし
出演/二宮和也
硫黄島からの手紙(06)
プラチナデータ(13)
母と暮せば(15)
ラストレシピ〜麒麟の舌の記憶〜(17)
検察側の罪人(18)
浅田家!(20)
TANG タング(22)
ラーゲリより愛を込めて(22)
波瑠
流れ星が消えないうちに(15)
コーヒーが冷めないうちに(18)
オズランド 笑顔の魔法おしえます。(18)
弥生、三月-君を愛した30年-(20)
ホテルローヤル(20)
桐谷健太
浜野謙太
藤原丈一郎 (なにわ男子)
高橋惠子
リリー・フランキー
手書きや手作りの模型作りにこだわるインテリアデザイナーの悟(二宮和也)は上司にて柄を取られても怒ることがない温和な性格。母親は闘病中でこまめにお見舞いに向かう心優しい青年でもある。そんな彼が、彼自身が設計した喫茶店「ピアノ」で一人の女声に出会う。それぞれの会話の中に感じることがあったこともあり連絡を取り合おうとする悟だが、彼女・みゆき(波瑠)は携帯電話を持たない女性だったそのため2人は「毎週木曜日」に「ピアノ」で合う約束をする。時間を紡ぎ、それぞれあが大切な存在となっていくが、ある日、彼女が姿を消してしまう…
二宮和也くんの 積極的になれない うぶさを感じるほどの 前半の ヒロインの波瑠に対しての ぎこちなさは素晴らしい演技で 甘酸っぱさや 青春映画に勝るとも劣らないほどの ピュアな部分
そこから 仕事における中での 恋愛が 活力になっている部分の 演出や彼女への思いが募っていく部分 に関しても 携帯電話で連絡を取れない…いう アナログな部分が 40代以上 もしくは50代以上の 人にとっては 共感する部分でノスタルジックさをとても刺激する演出
さらに彼の性格を映し出す演出がなんとも効果的だった
目覚まし時計で目覚め、ご飯は土釜で炊き上げ、ぬか漬けを自分で作る仕事は鉛筆をつかい(これがまた製図用の鉛筆という細かな演出)提案は手作り模型で空間を見せる勤めるのはおそらく大手でインテリアデザイナーでそれなりに給料もいいだろうがアナログで質素な生活でもグーグルマップをつかいITに頼る部分がある…という、ちょっとアナログな人というのをうまく冒頭で魅せてくれる
これらの部分を 二宮和也君が ナチュラルな演技でみせる。
この部分に共感を感じられるかどうかで 映画の世界に引き込まれてしまうかどうかの違いがでるとおもう。でも個人的にニノの演じる普通の雰囲気の演技が良かった前半のみゆき(波瑠)への緊張感ある表情。みゆきからファーストネームで呼ばれたときの屈託なく、嬉しさと緊張感溢れる笑顔などは素晴らしかった。「浅田家。」でもそうだったがニノの演じる「普通な雰囲気」を出せるのは役者としての素晴らしさであるといえる
そして一方の 波瑠ちゃんの 所作の美しさ。もうこれに関しては素晴らしいとしか言いようがない設定的に世界的に知られる存在だった彼女
屈託のない笑顔。徐々にほぐれていく緊張感。相手との距離によって変わる笑顔の雰囲気。当初は一人の大人の女性としてのどこかかたさもある笑顔が、本当の笑顔になっていくその可愛らしさと美しさ。この みゆき という役は波瑠以外には考えられないほどのはまり役と言える。
清楚な雰囲気でありながらもアナログ人間らしいアクティブな一面を見せてくれてそして道に迷ったときも前向きに捉えて行動するそして一緒に喜び、相手の気持ちを尊重し、嫌な顔を見せずにそっと寄り添う加えて上品なたたずまいや動きの一つ一つがなんとも美しいし、王道ヒロインとしての雰囲気に満ち満ちている
そこに彼女が持っている 秘密が 見え隠れするシーンが中盤にあり そのシーンからの展開も王道であり 理想的でもあり 究極の愛の形として最後まで見せてくれるところは 波瑠という魅力あふれる女優だからこそ
波瑠ファンとしては、これ以上無い役どころだし彼女にピッタリの役ともいえるし、彼女の可愛さと美しさが入れ替わる雰囲気やコロコロとした笑顔に心を撃ち抜かれる思いだ
そして後半のあのポジションになってからの表情はさすがである前半の笑顔の多い表情があったからこそ対比としての明確に観ている側に訴えるものが伝わってくる。そこに光の演出を足すことで薄幸の華人のような雰囲気となるまさに照明とカメラマンの腕前の見せ所だろう
そして母親役の高橋惠子がよかった
まさに仲がいい親子…を感じさせられる雰囲気作りそしてそれはみゆきが惹かれる悟(二宮和也)のキャラクターの性格の良さや優しさにも繋がりを感じさせてくれる母親らしい母親として演じてくれている。
あのクラスのインテリアデザイナーであれば高給取りだが、生活はシンプル。おそらく母親の入院費など悟が面倒を見ているのが見て取れるそういった親子の仲の良さもうまく演出として組み込んでいると言える
そして男性的目線でいうと桐谷健太演じる高木と浜野謙太演じる山下の男バカ3人衆の雰囲気の良さ
大人になってもバカを言い合うあの3人の雰囲気は最高に良かった。
さり気なく友人のフォローをする彼らの存在はとてもありがたいもの
あの3人組の各シーンがこの恋愛映画のなかで、うまいアクセントとして見事に機能している。
今どき携帯電話を持たない…というのはありえないかも知れないが、30数年前は携帯電話を持つ人はそれほど多くなかった。その時は家の電話が連絡方法であり、手紙であり、次に合う約束が全てだった連絡が取れないから、相手を思いやり、相手を想い、存在を感じる会いたいと思っても声も聞けない、会いに行くにしても家に行くしか方法がないでも家が厳しかったら会いにもいけない50代以上の人は少なからず経験がある、そんなノスタルジーを感じる映画
若い人も携帯を持たない生活をあえてしてみるのもいいと思う不便な面もある面倒なことも増えるしかし時間が作られる その時間をどう過ごすか…過ごせるのかに思いを馳せてもらっても良いかも知れない
ラストに向けては涙をこぼす人も居るだろう確かに 二宮和也 が選ぶ選択は理想論であるかもしれないが それを実践し時間を重ねることに寄る奇跡への道標とも言える。
先にも言ったが
王道でクラシカル物語の展開ファンタジー的な部分もある展開的な無理なところもあるでも、
人を愛するということ好きになるということは 計算や打算ではなく 心の底から相手を思いやることにあるという 部分に繋がっており そういう意味では 恋愛映画として究極の形に仕上がっていると言ってもいいだろう
リアリティや、現実的な設定を一旦脇において
素直にみれば、この映画はとても美しくも儚く、そして好きな人がそばにいるだけで幸せな時間を感じてもらえればと思います
原作を読んでラストを知っていても涙する映画
波瑠ファン目線を含めてだが個人的には2023年トップ10入りの作品です
クラシカルで王道だけどほっこりする映画
そんな映画が好きな人は超満足する1本
5 comments
素晴らしい解説✨✨✨
観ていないのに、ねたばれないのに、なんか全体の空気が伝わって
早く観たくなりました😆
見てきました。本当に優しい、美しい、心があたたかくなる映画でした。俳優さんも皆素晴らしい!
観てきました✨✨ 本当に優しいくて心が暖かくなる映画で涙が出ました✨素晴らしいです💛
高橋惠子さん良かったですね
主人公と母親との関係に触れている評論動画があまり無かったので嬉しく思いました
二宮さんの演技を観たいですが原作者が嵐アンチの北野武なので考え中。